自分の持ち物をよりよくするものに対価が支払われる
僕の得意先のある店長さんなんですが、とにかくよく売ります。お客さんが少なかろうが、全く買うつもりがなさそうであろうが、とにかくよく売ります。
で、僕の経験上ですがよく売る方というのは、クレームがつきものです。やはり売っている量が多いこともあると思いますが、無理やり売っているから売れているのであってクレームになるのは必然であり、、、というかなりの偏見でございますが、笑。でもあながち当たっていないことはないと思われます。(まぁそういう類の方はクレームが来ても何とも思っていない。)
僕が言っているその店長は、よく売るにも関わらずクレームもほぼ0。むしろその人から買ったお客様とはとてもいい距離感の関係になって追加で提案する商品なんかも買ってもらえたりします。
聞いてみました。なぜそんなに売れるのか。満足度が高いのか。
自分が持っているものを「よりよくする、向上する」というススメ方がポイントですよ
とのことでした。なんかよくわからない。笑。
いやだから、自分が持っている物の機能がよりよくなるのであれば買いませんか?
持っている車の燃費が上がるパーツがあれば買いませんか?
ご自宅の寒い部屋を暖かくしてくれるものがあれば買いませんか?
ご自宅のふとんの寝心地が更によくなるものがあれば買いませんか?
なるほど。なんとなくわかる。笑。
もちろんその人の悩みや、短所を補うことにフォーカスした接客も行いますが、その店長はそれよりも今の現状をよりよくするという接客の方が圧倒的に多いんだそうです。というのも確かにそういう言い方で接客すると、マイナスな言葉が出てこないし、悩みのない人にも販売が出来るようになります。悩みを持った人にフォーカスする接客はその悩みがなかった時点でジ・エンドです。本当にジ・エンドです。そんな経験何回もしました。悩みを持っていない人でもその商品はその人をよりよくできるのに、です。売ろうとすると確かにそういう接客になりますね。お客様のことを考えると、よりよくするは買おうが買うまいが全てのお客様に共通してその商品の良さが伝えられます。
追加で買ってもらうことが出来るのも「以前買っていただいた商品がより生きる商品がこれなんです」という言い方をしているからお客さんも抵抗感なく聞いていただけるんですね。
もちろん、「よりよくできるという商品である」ということが大前提です。その店長に自社商品を販売してもらおうと思うと、よりよくできる商品であるという確証がないとなかなか販売してもらえません。そう考えると本当にいい商売をされているなと思います。
損得勘定を抜きにして目の前のお客様が、いかによりよい生活を送ることが出来るか。それをお客様にしっかり伝えられたものに対価が支払われるんだなと思いました。